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大布教行進曲
 
 

 最近…といってもここ数ヶ月の間の話なんですが、山本正之を知らない人に山本正之を教える、いわゆる「布教」活動の機会に恵まれました。学生時代みたいにプライベートで出逢う人の数がいっぱいいればそういう機会もありますけど、社会人になるとそういう活動もなかなかできなくなりますよね。そもそもが趣味で知り合ったりするし。
 まぁ経過はともかく、山本正之に興味を持ってくれた方にCDを貸したり紹介したりするときって、みなさん、どのCDを選んでます?

 ファンではあっても、好きな曲とそこまで好きじゃない曲があったりすると思うんです。人に薦めるときにはやっぱり、自分の好きな曲をメインでオススメしますよね?
 とはいっても好きな曲ってのは1枚のCDに全て収まっているものでもないし、自分の特にお気に入りの曲だけを薦めてしまっては、山本正之の魅力のほんの一部しか伝えられません。歴史シリーズを聴かせれば一発で気に入ってくれる人に、美少女シリーズばかり聴かせてしまっては、一つのマサユキストの芽を摘んでしまうことになりかねない。
 となればやっぱり、CDを聞いてもらうのが一番だと思うんですが、10枚以上あるCDを全部持ってきて、
「聞いてみて」
なんて大胆なことは今になっては(※)とてもできません。
 となると、各自が「これは!」と思える正之CDを1枚か2枚選択して、それを聞いてもらうことになると思うんですよ。で、やっと冒頭の問いに戻って、そのときどのCDを選ぶかってお話なんですね。

 自分がファンになったきっかけである「少年の夢は生きている」は聴いてほしいけど、この曲はちゃんと歌詞を聴いてもらいたい。それに同じメロディが何度も繰り返される曲だから、「何となく聴いてみようかなー」程度だと、聞き流されちゃうかもしれない。
…とか、
 ○○マンシリーズは山本正之の一つの真骨頂ではあるけれど、いきなりこれを聞くと、アニメファンにしか受け入れられないかもしれない。
…とか、
 哲学シリーズは複雑な正之ワールドが絡み合っていて、少し慣れてきたマサユキストには感涙ものでも、いきなりはつらいかもしれない。
とかなんとか、色々考え出すと、もうホント、決まりません。
 やっぱりファーストアルバムからかなあ?…でもこのCDはあ〜るの曲とか多いしなあ…。
 そしたらライヴアルバムからかなあ?…それこそマニアックだよなあ…。
 じゃあ最新アルバム?…「少年の夢は生きている」を聴かずに「空を弾く少年」なんて、ありえない!

 きっとみなさん、色んな意見がおありでしょうし、実際どうしたという体験談もお持ちでしょう。そういうお話はそういうお話で賜るとして、とりあえずぼくの選択。

 今回は「桃の花」を選んでみました。目玉は「あなたのもの」。「故郷の先輩の結婚のお祝いに作った曲」ということだけ説明すれば、とてもしっとり、分かりやすく感動できる曲じゃないかなあ。他にも、哲学シリーズにしては他の正之ソングとの絡みが少ない、「THANX」が収録されています。「プライド」はある意味、聞き手の”解釈の仕方”にあまり相違の出ない、分かりやすいメッセージソングです。
 それともう一枚、「才能の宝庫」。これはぼくが歴史シリーズ中最高傑作の一つとして挙げる「大化改新」が入っているからです。この歌は分かりやすく面白い…と思うんですけどね。(「大嘘忠臣蔵」も同じく最高傑作の一つなんですが、「コミケ」とか分かりにくいかなあと…)

 ただただ好みを押し付けるなら、上に挙げた曲の他に「少年の夢は生きている」と「ZEったい消エナイ」と「飯田線のバラード」と「泡沫シンドローム」。「LEXINGTON」に「游ぎつづけて」に、そして「サスクハナ号の曳航」を聴いて、最後に「空を弾く少年」を聴いて…いやいや、その前に「花火」と「さよならシンデレラ」と…って、これはまぁ押し付けすぎですかね…。


(※)「今になっては」
 この文章を書こうと思って思い出したんですが、ぼくが初めて山本正之を広めてまわったとき、ぼくは自分の持っているCDをどさっと渡して、聞かせてましたね。…まったく無茶をする…。
 まぁ当時はぼくも周りも中学生だか高校生ですからね。時間があった。実際に後輩をそれで釣り上げたんだし、それはそれで良しとしちゃいますかね…。

 あ。人によっては、ドライブ中の車内でずっとCDをかけつづけるとか、家に遊びに来たときや行ったときに、部屋で鳴らしつづけるとか、そういう手法を使う人もいるそうですよ。いわゆる、「洗脳法」ってやつですね☆
 …布教とか洗脳とか、何か嫌な響きだなあ…。

- 2002.07.22 -

 
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