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感激!観劇!チャッターギャング
 
 

 自宅のマシンが壊れてしまって、すっかり遅くなってしまいましたが、9月19日に観に行ってきたお芝居のレビュー…もとい、感想文をお送りします。

 演劇部隊チャッターギャングという、小野健一氏が主宰する劇団の旗揚げ公演を見に行ってきました。Informationでも告知したとおり、山本正之先生が劇中音楽を担当したからです。…といっても公演の5日前には全然行く気じゃなかったんです。ただ、ふと、演劇好きの友人が
「今度一緒にお芝居を見に行こう」
といっていたのを思い出して、じゃあどうせならチャッターギャングのお芝居に誘ってみようかなと、かなり消極的な理由で見に行くことにしたんです。
 そんなわけで、行こうと思った時点ですでに、金土日祝の予約席は全て売り切れ。何かと同行者の都合もあって、結局、予約が取れる木曜日の公演を見に行くことにしました。

 当日、新宿「スペース107」の薄暗い会場の中で、
「ぼくの他に正之ファンの人、来てないかなあ?」
と、ある意味本筋からそれた期待を抱いて周囲を見回していたんですが、残念ながら(?)見覚えのある人はいらっしゃいませんでした。まぁいたところで知り合いというわけではないので、どうもないんですけど。
 と、お一方、見覚えのある方が、後方の席への階段を上っているのが見えました。…正之先生じゃん。へぇ。関係者の方って、何となく楽日とかに来そうな気がしてたから意外でした。らっきー♪

 さて、気を取り直して、以下感想です。お芝居の筋に関わることなので隠します。反転させて読んでください。…って、もう終わったお芝居だから別に構わないような気もしますけど…。
 網膜の移植をしたら、網膜の元の持ち主が最後に見たショッキングな映像が焼きついていて…というプロットは、以前、手塚治虫の「ブラックジャック」でも読んだことがあります。ちなみにブラックジャックでは、そのことによってひき逃げ事件が解決するんですが、今回の場合は殺人事件が解決します。
 自分が誰だか思い出せない(実際は殺されてしまっている)「男」(小野健一)のいる、どこだか分からない不思議な場所と、その他の登場人物たちがいる場面との場面転換の際、毎回、台詞なり状況なりがリンクしてるところが、非常に気に入りました。うまい気の利かせ方だと思います。
 ラストシーン。目の病を患っていた藍子が最後のフラッシュバックを体感します。網膜の移植手術を行いたいために不倫カップルの夫殺害計画に一役買ってしまった女医、その不倫カップルの男女、彼らが不敵に笑う壇上に、ずっとの世話を焼いていた、恋人の赤木くんも加わり、4人で不敵に微笑みます。
 これはおそらく、「赤木くんも実は一枚かんでいて、殺人事件に関係があるとしっていて、藍子に網膜の移植手術を勧めたんだ」ということが明らかになる、ショッキングなシーンだと思うのですが、ここはラストシーンであって、その後に何ら説明が入らないため、非常に分かりにくく感じました。さらに言うなら、話の筋としてそのあまりに唐突なヒールターン(※)にはあまり必然性を感じなかったりもしました。うーん。
 話の筋はシリアスですが、それをつなぐ合間合間には笑いの要素が盛り込まれていて、とても楽しいお芝居でした。下ネタ、多かったなあ…。

 で、山本正之ファン的な視点での感想になりますと、音楽は、あまりに自分にとって自然なメロディラインすぎて、そのまま受け入れてしまいました。注意して聞くとかしないで、ストーリーに没頭してしまったというか…。
 数少ない覚えているBGMとしては、劇中の回想シーンで「コロ」という犬の思い出が語られるシーンで使われた音楽。「コロ」「犬」でピンときた正之ファンの方もいらっしゃるかもしれませんが、「名犬コロ介の歌」のメロディが使われていたんです。うわー。「名犬コロ介」が聞きたくなってきた…。
 そしてカーテンコールは、「ギャング」。「♪おぉおギャーング ギャーング」のあたりにびみょーに振りがついていたりして、とても楽しそうな雰囲気になっていました。いや、実際に楽しんでらしたんじゃないかな?(笑)
 と、ここまでが感想です。まぁ素人が、思ったことをつらつらと言ってみただけです。違う感想とかあったら、メールください(笑)

 さて、お芝居を見終わった後、ロビーでアンケート用紙に感想やら何やらを記入していると、
「あぁやっぱりななしくん(実際はぼくの本名)かぁ」
と、声をかけられるじゃないですか。顔を上げると、正之先生! うわ。見つかった!…じゃない。見つけていただいた!非常に光栄でございます。
 正之先生の話には、このチャッターギャングも含めて、「すごろく」という劇団から分かれていった劇団には、公演の後、出演者、お客さんが入り混じっての飲み会があるんだそうなんです。
「ぼくも行くけど、一緒に行く?」
といわれて、図々しくもついていってきてしまいました。いやー。そんな劇団があるとは、びっくりした。

 ライヴ以外で正之先生にお逢いしたのは初めてでしたが、きさくに色々楽しいお話をしてくださいました。
 演劇もさることながら、この飲み会に参加できたのは、ホントに幸運でした。出演されてた役者さんも席を回っていて、挨拶や軽くお芝居についてのお話もできて、同行した芝居好きの友人たちも喜んで…くれたと思うんですが、実はぼく自身は舞い上がってしまっていて、友人たちの方にはちっとも気を向けられなかったんですよね…。いやいや、この場を借りてお詫びします。失礼いたしました…。


 レビューというよりも感想文みたいになってしまったことはご容赦ください…。
 ってかこれ、半ば自慢だ…。

 (※)ヒールターン:プロレス用語。善玉的役柄だったレスラーが悪役にキャラ付けを変えること。

- 2002.10.03 -

 
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