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ライヴレポート 山本正之ライヴ Vol.23「ライヴの本能」
2003年07月12日 東京都新宿区 朝日生命ホール
 
   恒例の、朝日生命ホールでの山本正之ライヴ。正之先生いわく「年に一度のマサユキスト祭」だそうです。
 今回のザ・サスクハナは、山本正之、藤原いくろう、東河精也の三氏。秋月かおる氏は諸事情…実際はダブルブッキングにより、急遽東河さんがキーボードを担当なさいました。東河さんはグランドスタンダードショーでもキーボードを演奏してました。

物販リスト(コンサート当日、会場で売っていたものです)
 ・才能の演奏(アルバム「才能の本能」のカラオケCD)
 ・ライヴ刊山本朝廷 Vol.27(最新)
 ・ライヴ刊山本朝廷 Vol.26
 ・他(発売中のアルバム数種)

 以下、演奏曲目と、その日のちょっとしたエピソードなどです。
 曲目の下の「〜」で始まる行には、その曲の収録されているCDや、アニメ等で用いられた曲であればそのアニメのタイトルを書いてみました。ライヴ再現MDなどを作成する時にご活用ください。


1:メドレー
 (ヤッターマンのうた〜オタスケマンのうた〜イッパツマンのうた)
 今回のメドレーはタイムボカンシリーズの曲ばかり。
「今回はボカンばかりだなあ…」と思っていたら、メドレーはそのまま次の曲へ…

2:ボカンで育って大人になって
 そう。この歌につなげるために、ボカンシリーズだけで構成されたメドレーだったんですね。
 実はぼくはヤットデタマンからしか見ていない(親いわく見ていたらしいんですが記憶に残ってはいない)、ボカンで育った世代としてはかなりギリギリなんですが…。あ。小学生の頃、タイムボカン、ヤッターマン…と続けて再放送してたのを見てたんで、それで何とか…。

3:人妻セレナーデ
 〜 アルバム「山本正之'89 少年の夢は生きている」(ただし収録されているのはショートヴァージョン)
 (渋い役者編〜時代劇編〜世界の戦争政治家編〜プロ野球阪神タイガース編〜中日ドラゴンズ編〜全然興味のないサッカー編〜編)
 恒例の人妻セレナーデ。現在の阪神の状況(ぶっちぎりの首位です)を反映して、なんと阪神だけで一編。そりゃあ今見れば、矢野には帰ってきてほしいですよね…。
 個人的に大好きだったのは「全然興味のないサッカー編」。釜本選手みたいな彼は…最近見ないけど調子悪いの?には大笑いさせていただきました。いや、ぼくもサッカー選手なんて三浦カズとラモスくらいしか…。最近見ないけど、調子悪いんですかね?あ。ゴン中山は見ます。

4:ああ大和朝廷
 〜 CD未収録
 「年に一度のマサユキスト祭」のキャッチフレーズのもと、ひれ伏しの儀式。今日は会場に日本赤十字の方がいらしていたようで、
「山本正之の底力を見せてやる」
と、アピールしておられました。日本赤十字の方は、どう見たかなあ…?

5:大嘘新撰組・斬る!
 〜 CD未収録
 名前で分かるかもしれませんが、「大嘘忠臣蔵」(アルバム「鐘ノネ響キテ」収録)のセルフパロディです。実はぼく、新撰組って名前は知ってますけど、何やってた人たちなのかあんまり良く知らないんですよね。池田屋階段落ちなら知ってるんですが…(蒲田行進曲の舞台、蒲田まではうちから30分くらいです。…関係ないけど)。
 と、正之先生もあんまりご存知ないようで、曲を作るときに知り合いの、新撰組に詳しい人(漫画家のJETさん)に電話したりして情報を集めたそうです。
 先生は「ほとんど嘘です」とおっしゃってましたが、ちなみにぼくは前述のとおり新撰組をよく知らないので、どこらへんまで”嘘”なのか、よく分かっていません。「大嘘忠臣蔵」を考えると…あぁ。だいぶ”嘘”ですね。

6:NEW 輝け!ライトマン
 〜 アルバム「才能の本能」
 照明を担当している「佐々木照店」の佐々木睦雄氏が、ライブの演奏曲目が決まる前から、
「やるんでしょ?やるんでしょ?」
とたずねるほどの気合を見せていらしたという、ライトマン。見事に舞台が光ってました。
 ただこの曲、この曲にしか使わない照明機材やなんかも使うそうで、1曲が「高い」んだそうです。「今回で最後かもしれない」みたいなことを言っておられましたが、恒例でなくても良いから、たまにはやって…ほしいなあ…。

7:新型・泡沫シンドローム
 〜 CD未収録
 泡沫シンドロームの新バージョン。曲調は一緒で、歌詞が変わっています。ほぼ前編歌詞に変更が入っているんですが、1フレーズだけ、わざと以前のバージョンと同じ歌詞にしたそうです。…というのを演奏前に聞いて、ぼくは漠然と
「まるで巨人ファンのごとく多数派の安心」
の部分なんじゃなかろうかと思っていたんですが、実際は、
「決して神様を冒涜するのではないけれど どうしてこれほど救われない人が多いのか」
あぁぁ。次元が違う。何だか自分が恥ずかしくなりました。
 この曲、ぼくは非常に大好きな曲で、「新型」も歌詞を読みながら聞きたい!(結構早口なんで、うまく聞き取れなかったりします)と説に願う次第であります。
 リクエストショー…?

8:イタダキマンの歌
 〜 CD未収録
 …CD未収録とかきましたが、発売中のイタダキマンのDVDボックスと何かもうひとつくらいDVDボックスを買った人は、そのCDを手に入れることができます。というのもこの曲、タイムボカンシリーズDVDボックスの購入特典CDに収録される曲なのです。
 そこでエピソード。正之先生とタイムボカンシリーズのDVDを発売している会社の方とのお話の中で、「DVD買ってくれた人に、曲を作ってCDにしてプレゼントしましょうか」という企画が持ち上がっていたのですが、気づいてみたら、ヤッターマンやオタスケマンではなく、イタダキマンのボックスを購入した人へプレゼント(*)となっていたそうです。それには異議を唱えた正之先生でしたが(ご存知の方も多いでしょうが、イタダキマンはシリーズ最終作にして、シリーズで唯一、正之先生以外の方が主題歌の作詞作曲を担当されています)、もうすでにDVD購入者からの応募が来ており、中止変更はできない状況。渋々ながら受け入れて、さてどんな曲を作ろう、と考えていると、夜更けのキラメキ。グッドアイデア。
「今改めて、イタダキマンの歌を作ってしまおう。そして作った歌を、イタダキマンの正式な主題歌ってことにしてしまおう」
なんとも大胆。かくしてこの、タイトルもそのまま「イタダキマンの歌」が誕生したのであります。ちなみに編曲は神保正明氏。まさにタイムボカンシリーズの主題歌!って感じです。
 もしこの曲の入った特典CDを手に入れようとすると、正之先生いわく「10万円くらいかかるんじゃないかなあ?」とのことです(ぼくは不精して調べてません)。「まあ何年かした後には、山本正之大全集で…。その頃には10万円出してCDを手に入れた人も、きっと許してくれるよね」ともおっしゃってたんで、ぼくは大全集を期待しちゃいましょう。いや、どっちにしたって大全集が出たら買うんですし。
 さて、いざ演奏が始まると、舞台のそでからピンクピッギーズ(今日は川上とも子さんとジャラさん)が登場。それぞれいくちゃんと、東河さんの前に設定してあったマイクを手にとり、コーラスを入れてくれました。今日のアニメソングは、完全にタイムボカンシリーズ一色でしたね。

9:銀河熱風オンセンガー「消えた燃えドラの巻」
 〜 CD未収録
 中年長編冒険ドラマシリーズ(でしたっけ?)の第二段。本当はBabarがJijyと一緒に船に乗って登場する、少年長編ドラマシリーズを作ろうと思っていたらしいのですが、まだまだ生々しくて、作れなかったそうです。そんなわけで今年もオンセンガー。ちなみに時間は約30分。
 今回のオンセンガーは、今年版の「燃えよドラゴンズ」を作ろうとペンを取ったものの、どうしても作れない。いったい「燃えドラ」はどうなってしまったんだ?というお話。最後は無事、燃えドラを取り戻して、今年版の燃えよドラゴンズにつながります。
 このストーリーの中で、いくろうさんが、
「先生、なーんか楽して儲ける方法はないんですかねー?」
と問うと、正之先生が厳しい目をして、
「あるよ。タイムマシンで昭和49年に行って、ぼくより早く燃えよドラゴンズを作っちゃえばいいんだ」
と答えるシーンがあるんですが、この受け答えには正之先生ならではのものを感じますね。ちょっと頭を打たれた気分です。

10:少年の夢は生きている
 〜 アルバム「山本正之'89 少年の夢は生きている」
 恒例の客席巡り。浴衣姿のカップルがいらして、その近くで歌われました。今回も会場と合唱Ver。途中までは楽器、マイクともにスピーカーから音が出ていたんですが、途中でOFF。この合唱、好きなんですけど、つい歌詞を間違えて(歌詞を間違えるというより順番を間違える)しまいそうで、どきどきです。
 「ビジジャンをみつけて…」のところではきちんと舞台がビリジャンの照明に。「赤ちゃん産んだばかりのピアノの先生が…」のところでいくちゃんのピアノが入ってました(…って、いくちゃんが正之先生の目配せに気づくのが遅れてしまって、やや遅れてピアノが入ったのは、ご愛嬌ということで)

*:嵐の水族館
 〜 アルバム「ザ・短編」
 舞台への帰り際、通路で立ち止まって一曲。この「嵐の水族館」とか「炎のかけうどん」(こちらもアルバム「ザ・短編」収録)とかは、短編シリーズの中でも特に歌いきりやすいのか、突発的に(突発的に見えるシーンで)歌われることが多い気がします。

11:フォレストヒルズ物語 ♪ロイスのタップシューズ
 〜 CD未収録
 ニューヨークラブストーリーシリーズの新作です。

12:LEXINGTON
 〜 アルバム「アノ世ノ果テ」
 

13:花ばばあ
 〜 CD未収録
 

14:One More Hug 涙光るまで
 〜 CD未収録
 

15:あと恒河紗の銀河ありて
 〜 CD未収録
 読みは「あとこうがしゃほしありて」。恒河紗とは数の単位。「ガンジス河の砂の数」という意味で、極の次で、阿僧祇の前です(*2)

アンコール:SALABA 子供の海へ
 〜 アルバム「鐘ノネ響キテ」
 

アンコール:ボクの夏
 〜 アルバム「山本正之'88」
 

アンコール:film
 〜 アルバム「才能の本能」
 最後のアカペラは「film」。


 客席は比較的涼しかったんですが舞台は結構暑かったらしく、メドレーが終わった段階で脱衣ショーがありました。今日のTシャツは76ers。…ということは、「♪76ersのTシャツ〜」で始まる「空を弾く少年」があるかな?と思っていたんですが、今回はありませんでした。アンコールでやるかな?と最後まで期待していたんですけどね。…って、じゃあ「空を弾く少年」をやる代わりにどれか一曲削ってくださいっていわれても困ってしまうんですけど…。
 
 
 

(*)ちょっと気になって調べてみたら、特典CDは「タイムボカン」と「イタダキマン」のDVDボックス全巻購入特典だそうです。詳細は以下のリンクからどうぞ(いつまであるのか知らないですけど)
http://www.pldc.co.jp/anime/timebokan/index.html

(*2)ライヴにはまったく関係ありませんが、 10の52乗。10,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000

- 2003.07.13 -

 
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