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桃の花
桃の花
1998年 TECD-31401 テイチク 3100円
 
 

 タイトル曲の「桃の花」にちなんで、ジャケットも全体に桃色。バックは、先生大好きNewYorkです。
 「あなたのもの」や「THANX」は、ぼくなんかは待ち焦がれていた、やっとのCD化って感じです。
 以下、収録曲のぼくなりの解説です。ブックレットにある解説と重なる部分があるのはご容赦ください。この解説を読んで、少しでもCDの雰囲気が伝われば…って、難しいですかね。やっぱり。
 CDを聞くときに、「あ、そういえばななしがこんな話をしていたな」くらいに思い出していただければ幸いです。

1:桃の花
 アルバムタイトルにもなっている「桃の花」。CDケースからCDをどけるとその裏に、この歌の2番の歌詞が書いてあります。
 ブックレットの解説にさらに説明を加えると、ニューヨークの西9番街だか9番通りにある「West-Nine」という靴屋さんの前で、歩き始める少女を見かけて、この曲を思いついたんだそうです。だから、「西へ九つ…」なんですね。

2:復旧オカエリマンの歌
 1995年1月。東京・京都の2ヶ所公演だったはずのコンサート「アノ世ノ果テ」の、京都公演が中止されました。阪神大震災です。
 それから3年経った98年。驚異的な速度で復旧は進んで、まだ完全復旧はしてないと言われてはいますが、都市機能には何ら障害がない水準にまで回復しています。
 その回復に対する敬意や、コンサートが中止になったことへの謝罪をこめて、この歌は歌われているんですね。

3:戦国じゃんだらりん三河物語
 歴史シリーズで、微妙に「戦国武将のララバイ」と時代が重なっているこの曲。三河出身の徳川家康にスポットを当てています。
 曲中の口上はNativeな三河弁…なんだと思いますよ? えぇ。

4:月光大脱走
 戦地で現地の村長の娘と恋をして、途中事故で片腕を失って…ってなストーリーなんですが、ちょっと、漫画家の水木しげる氏を思い出してしまいました。彼も戦地で片腕を失って、現地の集落でしばらく過ごしていたんですよね。…って、全く関係ない話でした。
 作中で主人公が米軍の軍艦に拾われるシーンがあるんですが、そこで「白勇米兵」という見慣れない言葉があります。これは、CD化の際に検閲というか、チェックみたいなもので「鬼畜米英」とか「鬼畜米兵」とかにしようとしていたのを、「やめておいてください」みたいなことをいわれて、半ば意地で直したらしいんですが、読んだり聞いたりすると分かるんですが、「白勇」は「Fuck You」です。はい…。

5:ステレオの歴史
 正之先生の周りにあったステレオの変遷を歌った歌です。途中、買ってもらったステレオにギターを直接取り付けて演奏したおかげで、ステレオをダメにしてしまったりするんですが、そのエピソードはまた、別の話…。

6:BABARの伝言
 説明しておきますと、この「BABAR」というのは母親に対する尊称です。決して乱暴な言葉を使って「婆あ」と言っているんではなくて「BABAR」なのです。それの証拠に、この歌の中には母親に対する愛や想い入れが、やや憎まれ口を含みながらも織り込まれているじゃないですか。同様に「Jijy」というのは父親に対する尊称にも用います。
 ちなみに歌詞にある「シャンソンのお稽古しています」は、いくちゃん(藤原いくろう氏)のBABARが最近(と言ってももう何年も経ちますが)はじめられた趣味。発表会まで出たんですって。それに続く「リボンフラワー」「レザークラフト」も、いくちゃんBABARのご趣味です。
 「WALK,DON'T WALK」(信号ですよね?)を歩いたり、「自由の女神と勝負」したりしているのは、正之先生BABARです。自由の女神と勝負(?)されている先生BABARは、アルバム「山本正之'99 女神の自由」のジャケットでも拝見することが出来ます。

7:港ストリート
 街角でアカペラで歌っているようなアレンジですが、実際は街角の音にアカペラのヴォーカルを重ねたものです。CDでは珍しい、アカペラでの短編(ライヴの最後はいつもアカペラで短編をやるんですけどね)。
 本当に街角で、さりげなく歌を口ずさんでる感じがして良いです。

8:マイボーイCHRYSLER
 ブックレットによると1995年10月。正之先生が、お母さんを連れてニューヨークに行ったときのエピソードをまとめた曲です。ぼくもいつか、親を連れて旅行とかに行くんでしょうか。…親に旅行につれてってもらったこともないのに。

9:あなたのもの
 このアルバムで最もオススメなのがこの曲「あなたのもの」。ブックレットの解説にもありますが、正之先生の先輩で、画家の斉藤吾郎氏の結婚をお祝いして作って、実際に結婚式で披露された曲だそうです。
 以前からライヴで何度か聞いていたんですが、CDに収録されると知って、非常に喜んだ想い出があります。とてもいい曲なので、是非とも聞いていただきたい。

10:プライド
 動物たちのプライド。職人のプライド。人類としてのプライドの間に、プライドを忘れた人々を歌った歌。過剰なプライドはいらないけれど、捨ててはいけない最低限のプライド、守らなくてはならない根底のプライド、そういうったものがあるんですよね。
 でもぼく、宇宙飛行士として宇宙にいたときに宇宙人に捕らえられて、そのプライドを守りきれるかなあ…?

11:THANX
 当サイトのタイトルにもなっている「THANX」。読みは「サンクス」。Thanksと同じ意味で、軽いお礼の言葉ですね。
 「THANX THANX 生きてて THANX」
 ぼくと仲良くしてくれてる全ての友人、恩人に対して思います。生きててTHANX。
 …いや、きっと仲良くしてない人でも、今のぼくを作り出す上では欠かせない存在であったんだろうなあということ考えると、ぼくと出逢った、ぼくと関わった全ての人たち全てに感謝すべきなのかもしれないですけど。…そこまで心が広くはなれないなあ。

2002.07.28
 
 
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